こっこにゃんのお部屋

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【漫画ネタバレ】シマリスと(ユキウサギ)【BEAST COMPLEX】

文芸誌の編集部。
肉食獣の編集がため息をついている。どうやら、作家のイチジク先生と連絡がとれないらしい。
仕事場に行っても無視されてしまうそうだ。
ヤギの編集が言うには、イチジク先生は弱い生物の繊細な心理描写が特徴で、がさつな肉食獣の編集は合わないだろう、と。
何としてでも看板作家のイチジク先生の原稿が欲しい編集部。
代わりに、新入社員のシマリスのキムがイチジク先生の所へ原稿を受け取りに行くことになった。
彼女なら女性で小柄なイチジク先生との相性も良いと思われたが…?

手土産に干し草とニンジンケーキを買って、イチジク先生のもとへ向かうキム。
ドアを開けて顔を出したのは、何と巨大な雄の熊だった。
イチジク先生が食殺されたと思ったキムは、涙目で熊を怒鳴り付ける。
だが、なんとイチジク先生の正体は熊だった。
彼が女性のユキウサギというのは、誰かが流したネットの噂だそうだ。

結局、キムはイチジク先生の部屋にお邪魔することに。
キムはイチジク先生のファンだった。
高校生の頃彼の本に廻り会い、草食獣の心を代弁してくれる作品に心を打たれたのだ。
イチジク先生はツキノワグマだが、心はありんこのように繊細らしく、やはりがさつな担当編集を嫌っていた。
キムはイチジク先生に質問する。
どうしてあんなにも、常に食べられるかもしれない草食獣の恐怖が分かるんですか。
イチジク先生は答える。
自分にないものに焦がれて、0から1を産み出すのが作家だ。生命力溢れる草食獣の心を掘り起こすのが好き。
スランプに陥ったイチジク先生は立ち上がり、キムに迫る。
草食獣の魂が憑依してくれないなら、草食獣そのものを力ずくで取り込むしかない。
とうとう食われるかと覚悟するキム。

次の瞬間、イチジク先生は原稿を書き始めていた。
キムの表情にインスピレーションが湧いたらしい。
「それは恐怖ではなく 生きたいと願う希望の光だ」
書き上がった原稿をキムに渡し、キムは大切そうに原稿を持ち帰る。
癪だけど、いいラストだと思うキムであった。

感想
本編のボーグさんじゃないか!
本人が種族を偽ってるみたいな話になってたと思うけど、わざと噂流したんかな?
確かに、熊だと公表して草食獣の立場の小説を書いても、「しょせん肉食は理解するふりをしているだけ」みたいな感じになりそうだしね。
もっと穏やかなキャラだと思っていたけど、確かにスランプは辛いし。繊細な性格ではあるようだし。
これから、コーポ伏獣のみなさんの話も描いて欲しいな。
獣民がみんな濃すぎて。