こっこにゃんのお部屋

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【漫画ネタバレ】第135話 あまき湯けむりと青山椒【BEASTARS】

ゴーシャの顔が、狂暴なコモドオオトカゲの顔に変わる。それもまた祖父の顔なのか。
「まだ気迫を放つことができたんだな…すっかり老いぼれたと思ったよ」そう言うヤフヤに、「レゴシのことが絡めば別だ、お前は家族愛を知らなすぎるようだな」とゴーシャ。
「あいにく専門外でね」と返したヤフヤに、ゴーシャが襲いかかる。
しかし尻尾を掴まれ、蹴られて踞るゴーシャ。
ヤフヤは弁解する。「一度限りの手伝いのつもりだった。お前の戦闘力を受け継いでいるなら間違いないと…」
天井に張り付いたゴーシャは、ヤフヤを睨み付ける。「私の血が濃いなら尚更、あの子を戦わせたくなかったんだ…!」
緊迫した雰囲気の中、看護婦の羊が現れて言う。「今点滴を変えに行ったらレゴシさんが…」
容態急変かと思い、顔色を変えるゴーシャ。なんと、レゴシの筆跡で書き置きが残され、彼は失踪していたのだ。
看護婦が見に行ったときにはベッドは空、着替えもなくなっていたと言う。
内臓の損傷が深刻で歩いて出ていくなど不可能なはずだ。レゴシはいったい何処へ。

場面は変わる。今夜は満月の夜であった。
月の引力が強くなり、獣たちの体も栄養や水分を吸収しやすくなる時期である。
大人も子供も、満月の夜は自分の肉体を労る活動をする。
そのためにみんなが集まる場所。『ディープナイト』と呼ばれる催しであった。
満月の夜のみ開催されるこの催しは、滋養強壮に特化した出店が並ぶ。
レゴシはここに来ていたのだ。
「みんな案外こういうところで自分の体を労ってたんだな…俺は傷つけてばかり、とうとう弾痕まで」
ディープナイトの予定のカレンダーを見てレゴシは、自分が一週間も昏睡状態だったことを知る。
目が覚めたのはお母さんがパワーを与えてくれたのか、おじいちゃんの免疫力の遺伝なのか。
何はともあれ久々の食事である。まずは牛乳で胃を補強しようと、濃厚牛乳を買うレゴシ。
この市場では、甘酒や卵酒など体を冷やさずにとれる水分や、お月見も兼ねた市場なので野菜の具を練り込んだ月見団子、カロリー重視の甘い揚げバナナなどが売られている。それらを月光浴しながら食べるのだ。
レゴシは煮込み素麺も注文した。イヌ科のお客さんに燕麦トッピングサービスもつけてもらった。
久々に大人に優しくしてもらった気がするレゴシ。
素麺の美味しさに、自分が生きていると実感する。
「どんなに完璧な血統の狼より強く優しくなれるよ」母の言葉を思いだし、なれるかな…と考える。

「戻ってきたか…夜の散歩から、あの世から」レゴシが戻ると、ヤフヤが待っていた。
メロンを逃がしたことを詫びるレゴシ。
ヤフヤは、「素人の君に手伝わせたのは僕だ、君を怒る資格はない」と言う。
「もうこれっきりに」というヤフヤに、「もう一度俺にメロンを捕まえさせてください」とレゴシは頼み込む。
ヤフヤは、「だめだ。契約は解除だ」と答えるも、レゴシは「契約料を使い込んじゃったので契約解除はできません」と返す。
「物件でも買ったのか」と驚くヤフヤに、「とにかくそういうことなので、契約は続行でお願いします」(本当は使ったの700円くらいだけど)とレゴシ。